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インフラエンジニアの年収相場は?仕事内容や必要スキル、将来性を解説

公開日:2025/05/12最終更新日:2025/05/19

ITシステムの基盤となるインフラの設計・構築・整備・保守を手がけるのが、インフラエンジニアです。私たちが便利な社会で過ごすために必要不可欠な役割を果たしています。しかしながら、これからインフラエンジニアに就こうと検討している人にとっては、仕事内容のイメージがつきにくい職種でもあります。そこで本記事では、インフラエンジニアの年収相場を紹介しつつ、仕事内容や必要なスキル、将来 性をご紹介します。


1.インフラエンジニアの年収相場


求人ボックス 給料ナビ (2023年10月17日時点)」のデータによると、正社員のインフラエンジニアの平均年収は521万円となっています。


正社員の給料分布を見てみると、ボリュームが多いのは488〜563万円のゾーン。全体の給与幅としては339〜937万円と比較的広いため、勤務する会社やこれまでの経験・求められるスキルによっても大きな差があると考えられます。地域別で比較すると、最も平均年収が高い地方は関西エリア。その中でも、大阪府が499万円と高い水準になっています。 


エンジニアの代表格である「プログラマー」や「システムエンジニア」と比較すると、プログラマーの平均年収は「求人ボックス 給料ナビ ※2023年10月17日現在 」によると430万円。SEの平均年収は「求人ボックス 給料ナビ ※2023年10月17日現在 」によると、約509万円。インフラエンジニアの年収の方が高いことが分かります。



2.インフラエンジニアの仕事内容


インフラエンジニアは、サーバーやネットワークといった情報システムに必要なITインフラの企画・設計、構築、運用・保守に携わります。仕事内容をフェーズ毎に紹介します。


【1】要件定義

プロジェクトが発足する際の最初の工程で、社内やクライアントからの要望のヒアリング、課題解決の提案などを行います。


【2】ネットワークの設計、構築、運用、保守

必要となるネットワークスペックの算出やシステム要求を満たす機器やサービスの導入・構築を行います。ネットワークの設計・構築は正常なインフラ構築のために不可欠です。


【3】ハードウェアの調達、設置、設定、運用、保守

サーバーの設置作業やディスクの追加、パーティション設定、他機器とのケーブリング、UPSなどの非常用電源の設置を行います。


【4】OSの設定、運用、保守

ハードウェアへのOSのインストールや更新作業だけでなく、リモート接続設定や自動更新、ログ関連の設定などを行います。


【5】ミドルウェアのインストール、設定、構築、運用、保守

MySQL、PostgreSQL、Oracleなどのデータベースソフトをインストールするだけでなく、

ウェブサーバーやメールサーバー、DNSサーバーなどの目的に対応したミドルウェアやセキュリティ証明書などのインストール・設定作業を行います。


【6】障害対応

社内ネットワークがつながらなくなった、サイバー攻撃の被害を受けたなど、突発的なトラブルや障害に対応します。



3.未経験で入社した場合の仕事内容


▼最初の1〜2年間は、運用・保守から始めます

いきなり設計や構築に携わることはほとんどありません。まずは運用や保守などの経験を積み重ねていくことが多いです。ネットワークインフラは24時間365日の安定的な運用が求められます。先輩エンジニアの指導やアドバイスの下で、トラブル発生時に被害を最小限に留めるための応急処置と原因究明方法などを学んでいきましょう。


▼大体3年目から、設計・構築に携わります

3年以上の経験を積めば、インフラの知識も増えており、設計や構築に携わるチャンスも多くなっているでしょう。インフラの要件定義を行い、要件を満たすシステムを構築します。



4.インフラエンジニアとして必要な知識・スキル


長年活躍していく上で必要な知識・スキルをまとめました。


■サーバーの知識・スキル

サーバーの知識は不可欠です。Windows、Linux、UnixなどのサーバーOSの基本的な知識とスキルを習得し、サーバーを扱えるようになりましょう。


■ネットワークの知識・スキル

ネットワークの通信速度などで問題が発生した時の原因の解明・改善を行うためネットワークの知識・スキルが必要です。


■プログラミングスキル

プログラミング言語を習得していれば、バッチファイルやシェルと呼ばれる、サーバー上で動作するプログラム構築を担当できるようになります。


■クラウドサーバーの知識・スキル

ITインフラをクラウド上に構築するIaaS(Infrastructure as a Service)を使用するケースが増加しており、AzureやAWS、GCPなどクラウドサーバーの知識とスキルが必要です。


■セキュリティの知識・スキル

インフラ設計をする際に、セキュリティ対策としてセキュリティ製品を使うことも多いです。そのため、セキュリティに関する知識やスキルが重要です。



5.インフラエンジニアとして取得したい資格


保有する知識やスキルを証明するために、ぜひ取得したい資格をまとめました。


ITパスポート

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が運営し、経済産業省が認定する国家資格「情報処理技術者試験」の最も簡単なカテゴリです。IT関連の基礎的な知識やスキルを保有していることは証明できます。


ORACLE MASTER

オラクル社が運営している商用データベースOracleについてのベンダー試験です。難易度別にブロンズからゴールド、プラチナまでのランクがあります。


Linux技術者認定(LPIC)

LPIが運営しているLinuxのスキルを証明する資格です。難易度に応じて、LPIC-1からLPIC-3までのランクがあり、未経験から目指すのであればLPIC-1がおすすめです。


シスコ技術者認定(CCNA)

ネットワーク機器の販売を手掛けるシスコシステムズ社が運営するベンダー試験です。CCNAはエントリーレベルのネットワークエンジニアに向けたレベルとなっています。CCNAの上位資格としてCCNP、CCIEなどがあります。


AWS認定試験

世界中のクラウドサービスで最も高いシェアを誇るAWS(Amazon Web Service)についてのスキル・知識を問う認定試験です。


6.インフラエンジニアの将来性


クラウド技術の進化とともに、サーバーの設計・構築もオンプレミス(自社で保有・運用)からクラウド中心にシフトしています。クラウド化が進むことでニーズの種類は変わるものの、インフラエンジニアの仕事がなくなることはないでしょう。


なぜなら、クラウドに移行したとしてもITインフラの基本的な考え方は変わらないためです。ネットワークやサーバーの知識・技術は必要不可欠であり、設計・構築のスキルを持つインフラエンジニアは、今後も必要とされ続けます。



7.インフラエンジニアのキャリアパス


ある程度経験を積んだ後は、幅広いキャリアが待っています。


プロジェクトマネージャーになる

上流工程の業務経験を多数積むことで、プロジェクトマネージャー(PM)やプロジェクトリーダー(PL)となり、マネジメント職にキャリアアップするのが代表的なキャリアです。


ITスペシャリストになる

スペシャリストとして、特定の技術領域を極めてステップアップするのもひとつです。インフラエンジニアには、サーバー、ネットワーク、データベースなど幅広い業務分野があり、各分野のスペシャリストが活躍しています。


ITコンサルタントになる

クライアント企業の経営課題の解決や目標達成の支援のために、IT技術の観点からコンサルティングを行なう上級職です。プロジェクトマネジメントや最新技術トレンド、ビジネス全般に関する知識が求められます。



8.インフラエンジニアになるためのステップ


インフラエンジニアになるために必須となる資格はなく、実務経験や高いスキルが身についていれば誰でも業務に従事できます。ステップアップとしてまず行うことをまとめました。


資格取得を目指して勉強する

未経験からインフラエンジニアを目指すには、まずサーバーエンジニアなどのサーバー関連業務から始めてきましょう。資格の取得に向けた学習をすることで、体系的に学んでいくことができます。ネットワークやサーバー、セキュリティといったインフラの基礎から応用までを網羅できるため、実務に役立つスキルが効率的に身につきます。


実際の機器に触れてみる

たとえばサーバーやスイッチといったネットワーク機器を操作するには、特定のコマンドを理解しなければなりません。実際の機器に触れることで、自身の体験として知識が定着しやすくなります。実際の機器を所有していなくても、PC上で同様の動作が再現できるシミュレーターもあるため、試してみると良いでしょう。

9.今後も必要とされるインフラエンジニアになるために


クラウド技術の進化とともに、サーバーの設計・構築もオンプレミスからクラウドにシフトしており、今後はより一層クラウドの知識を身につけることが欠かせません。


AWS(Amazon Web Services)Azure(Microsoft Azure)GCP(Google Cloud Platform) などのクラウドサーバーに関する知識を身につけることで、活躍の幅が広がるでしょう。インフラエンジニアとして必要な知識やスキルの習得に励みつつ、常に新しいトレンドにもアンテナを貼って習得していくことが必要です。

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