IT化が進むにつれ、日々のビジネスや生活で発生するデータの量はどんどんと増えてきています。特に近年はAIや機械学習の台頭によりビッグデータが注目されていますが、その活用に欠かせないのが「データベースエンジニア」です。今回は、データベースエンジニアの仕事内容や給与相場、将来性、必要なスキルなどを徹底解説 。データベースエンジニアを目指している方、興味がある方はぜひご覧ください。
目次
1.データベースエンジニアとは? データベースエンジニアの仕事内容 (1)データベース設計・開発 (2)データベース管理 (3)データベース運用・保守 必要なスキル その他のITエンジニアとの違い 2.データベースエンジニアの働き方 仕事の流れ プロジェクト例 3.給与相場 4.データベースエンジニアのキャリアパス 5.データベースエンジニアの将来性 6.データベースエンジニアを目指すには? 7.データベースエンジニアは、AI技術にも欠かせない将来性のある仕事そもそも、データベースエンジニアとはどんな仕事なのでしょうか?まずは基本的な概要からご紹介します。
データベースエンジニアとは、その名のとおり「データベースの設計・開発〜運用・保守」を行うエンジニアのことを指します。毎日世界中で発生しているデータは「データベース」と呼ばれる入れ物のようなものに保管されているのですが、そのデータベースを構築したり、それぞれの顧客ニーズに応じたデータベースを企画したり、日々の運用を行ったりするのがデータベースエンジニアの仕事。ビッグデータを活用するのが当たり前になった現代では欠かすことのできない存在です。そしてデータベースエンジニアの仕事をより詳細に見ていくと、以下の3種類に分かれます。
各システムやサービスに合った最適なデータベースを設計・構築・開発する仕事。その際には「Oracle Database」や「Microsoft SQL Server」といったデータベース製品が必要となります。
開発したデータベースに長期間データを保存しておけるよう、ストレージやサーバの最適化、使用効率の最大化、パラメータ設定の見直し、データ流出を防ぐセキュリティ設計などを行う仕事です。
日々のデータベース運用、アクセス権限の管理、データのバックアップなどを行う仕事です。
データベースエンジニアには、まず「Oracle Database」「Microsoft SQL Server」「PostgreSQL」「MySQL」などのデータベース製品の知識が不可欠です。また、データベースを操作するための言語である「SQL」も習得しておいたほうがよいでしょう。ちなみに、ビッグデータの解析を行う高度システムを扱いたい場合は「MongoDB」や「Memchached」といった最新データベースソフトの知識・スキルも必要となります。
データベースエンジニアは、システム稼働に必要な基盤(インフラ)をつくるインフラエンジニアの一種です。インフラエンジニアの中でも、データベースに特化してシステム開発や運用を行います。
データベースエンジニアとよく間違われる職種に「データエンジニア」がありますが、こちらは分析のためのデータの加工や運用・管理を行うエンジニアのこと。データベースエンジニアは業務用システムからWebサービスまで、さまざまなデータを扱います。
続いて、データベースエンジニアの働き方についてご紹介します。
データベースエンジニアは、他のITエンジニアと同様「設計・開発」→「管理」→「運用」という流れでプロジェクトが進んでいきます。まずはプロジェクトマネージャーが顧客へのヒアリングにもとづいて企画や要件を決定し、開発者がその内容に応じて必要なテーブルやカラム(データを納める箱のようなもの)を整理します。
その後、データベースを効率的に長く活用できるよう管理したり、こまめにバックアップを取りながらメンテナンスを行ったりしていきます。それぞれのセクションによって役割は分担されますが、いちデータベースエンジニアがどこからどこまでの業務を担うかはプロジェクトによってさまざま。業務量なども参加人数や納期によって異なります。時には、トラブル対応など緊急出動が必要となる場合もあります。
データベースはITを活用するあらゆる企業やサービスに必要なものであるため、プロジェクトも多岐に渡ります。具体例としては、「通信キャリア企業のビッグデータを利活用するための基盤構築〜運用」「自社ヘルスケアサービスにおける、データベース設計・構築〜運用」「自社ECサービスにおける、パブリッククラウドを活用したデータベース構築〜運用」など。このようなプロジェクトは、大きく分けると「SIerやSES企業にてさまざまな企業・サービスに対応する働き方」と「自社内エンジニアとして自社サービスのみに携わる働き方」の2種類があります。
「求人ボックス 給料ナビ ※2023年10月19日現在 」によると、データベースエンジニアの平均年収は648万円。設計・構築など上流工程を担うプロジェクトに参画するとさらに年収が高まる傾向にあります。
データベースエンジニアには、主に3つのキャリアコースが考えらえます。まず1つ目は、技術者として専門性を高めるスペシャリストコース。データベースの知見を活かすことで、冒頭で触れたビッグデータの収集・分析を行うエンジニアや、統計学にもとづいてデータの分析や活用方法を見出すデータサイエンティストなどを目指すことができるでしょう。
2つ目は、プロジェクトの管理・統括を担うマネジメントコース。データベースの開発経験をもとに、要件定義などの上流工程や、プロジェクトメンバーのマネジメント、品質管理などを行います。コミュニケーション能力やプロジェクト管理能力を活かしたいという方におすすめです。
3つ目は、顧客への提案や交渉を担うコンサルタントコース。発注者のニーズを拾い上げ、どのようなシステムを作るか企画段階から考える仕事です。データベースの知見だけでなく、システム全般の知識や経営視点なども必要になりますが、その分顧客からの嬉しい言葉や反応を直接受けられる、やりがいの大きい仕事です。
結論から言うと、データベースエンジニアは非常に将来性のある仕事です。データベースは、これからますます注目されるであろうビッグデータの活用に欠かせないもの。AIやクラウドといったトレンドの技術・サービスもデータベースに支えられているため、これから時代が進んだとしてもデータベースが消滅することはありません。その上、データベースエンジニアはとても貴重な存在であるため、需要は高まっていく一方でしょう。
その反面、業務効率化や自動化ツールが登場したことにより、データベースの管理・運用保守を専門的に行う求人は減少してきています。データベースエンジニアとしてある程度経験を積んだ後は、プロジェクトマネージャーなどへのキャリアアップや、データベースの知見を活かせる仕事へのキャリアチェンジを行うことをおすすめします。
データベースエンジニアに求められる技術・知識は、本記事の「必要なスキル」でご紹介したとおりです。また必須ではありませんが、持っておくと評価に繋がりやすい資格はいくつか存在します。具体的には、Oracle社が運営する「ORACLE MASTER」やMicrosoft社の認定資格である「MCP」、あるいは国家資格である情報処理技術者試験の一種として行われている「データベーススペシャリスト試験」など。これらを受験すると、データベースについて体系的に学べるほか、データベースの知見を持っているという証明にもなるでしょう。
本記事では、データベースエンジニアの仕事内容、給与、将来性などについて解説しました。データベースエンジニアは、さまざまなトレンド技術や最先端技術の発展を下支えする存在。今後も重宝され続ける仕事と言えるでしょう。希少価値の高い知識・スキルを得たい方や、安定したキャリアを築いていきたいとお考えの方は、ぜひデータベースエンジニアにチャレンジしてみてください。
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